「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

部下に「やる気が出ません」と言われたら?
マネジメントの現場では、部下から「やる気が出ません」「モチベーションが上がらないんです」と言われることがあります。
そんなとき、あなたなら何と返すでしょうか?
「何とか頑張れよ」と励ます?
「どうしてやる気が出ないの?」と理由を尋ねる?
「最近疲れてるのか?」と気づかう?
どれも悪くはありません。でも、本当に優れた管理職は、別の角度から対応します。
「やる気」は管理対象ではない
まず、大前提として知っておくべきは、「やる気」は管理の対象ではないということです。
やる気というのは、本人の内側にある感情であり、上司が直接コントロールすることはできません。
そもそも、毎日モチベーションMAXの人などいません。誰だって波があります。
重要なのは、「やる気があってもなくても、結果を出せる仕組み」を整えることなのです。
問いかけではなく、「事実」に目を向ける
では、「やる気が出ません」と言われたとき、どうするべきか。
頭のいい管理職は、こう言います。
「そうか。でも、今週のタスクはこれだよね」
つまり、「やる気が出ない」という感情にフォーカスせず、やるべき仕事=事実に立ち返るのです。
これは冷たく聞こえるかもしれませんが、リーダーが感情の渦に引き込まれた瞬間、チームは揺らぎ始めます。
結果を見て評価する
「やる気があるかどうか」ではなく、「結果が出ているかどうか」を見る。
そして、その結果に対してフェアに評価する。
これが、チームにとっていちばん健全な関わり方です。
やる気があるけど結果が出ない人と、やる気がなさそうに見えても成果を出す人。
どちらが貢献しているかは、言うまでもありません。
「やる気が出ない」自分とどう付き合うかを学ばせる。
むしろ、やる気がないときこそ「やるべきことを遂行する力」が問われます。
それを教えるのがリーダーの仕事です。
「やる気がない日もある。それでも結果を出すにはどう動くか?」
その問いに部下が向き合い始めたとき、チームの地力は格段に上がります。
「感情」より「行動」を見るリーダーに
部下の気持ちを汲むことは大切です。
でも、それに引っ張られてはいけません。
大事なのは、「行動」に目を向けるリーダーになること。
「やる気が出ません」と言われても、ブレずに事実と向き合う。
その姿勢こそが、部下にとっていちばん信頼できるリーダーのあり方なのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。