習近平国家主席Photo:Lintao Zhang/gettyimages

 10年以上にわたり、中国が製造業主導の成長モデルから消費重視のモデルに移行するのかが注目されてきた。中国が モノを作り続け 、それを世界が買い続けることには無理があり、変化への期待が高まっている。

 この疑問に答えられる立場にいるのは、中国の全てを取り仕切る習近平国家主席をおいて他にいない。しかし、その答えは決して安心できるものではない。

 先週、中国中部の洛陽市にある国有の機械工場を視察した際、習氏は製造業重視の政策を改めて確認した。習氏は歴史に触れながら、「かつてはマッチや石鹸、鉄を輸入に頼っていたが、今では世界最大かつ最も多くの産業分野における製造業国となった」と中国の変貌を誇った。

 習氏は全国放送された洛陽軸承集団での演説で「われわれは正しい道を歩んできた」とし、「引き続き製造業部門を強化し、自力更生を堅持し、中核技術の習得に努めなければならない」と語った。

 米国やその他の地域との貿易摩擦が高まる中、中国政府は消費重視にシフトしているとされるが、それはない。習氏は優先順位がどこにあるのか、そしてこれからもどこにあり続けるのかを明確にした。