2015年サンデーショックで起きたこと
図1に示したように、15年は女子学院、立教女学院、東洋英和女学院[A]、フェリス女学院、横浜雙葉、横浜共立学園[A]という6つの女子校が1日から2日に移動している。14年の受験者数は6校合計2027人だったが、2日に動いた15年の合計は2554人で、500人以上も増やしていることがまず注目される。1日午前の入試回はそれだけ強い。
サンデーショックで1日から2日に動く対象となる入試回の受験生だけでなく、それに伴い1日と2日の難関・上位校を中心とした受験生全体の選択に大きな影響を及ぼすため、単に2027人だけの問題ではなく、実際にはその数倍の“ショック”を与えることになるわけだ。その点は26年も同様である。
では、1日の穴を埋めた学校はどこだったのか。14年と15年の受験者増加数を多い順に並べると、雙葉+163人、洗足学園[1回]+132人、鴎友学園女子[1回]+129人、桜蔭+128人、吉祥女子[1回]+77人、渋谷教育学園渋谷(渋渋)[1回]の女子受験生+68人(男子は▲3人だった)となっている。図1は15年の偏差値順(同人数の場合は14年の受験者数が多い順)に並んでおり、移動した6校を受ける予定だった受験生が、どの入試回に流れたかがうかがえる。
15年で増やしたものの、6校が1日に戻った16年はいずれも14年並みに戻している。その中で、元女子校だった渋渋の男子受験生が、15年の5割増しとなっている点が特に注目される。
ちなみに、04年には他に恵泉女学園、玉川聖学院、捜真女学校、清泉女学院が2日に、関東学院六浦は1日午後に移動している。1日のまま実施したのは頌栄女子学院[1回]、普連土学園[1次]、香蘭女学校で、例年の2日から1日に移動したのが湘南白百合学園と鎌倉女学院[1次]だった。1日午前に入試回を追加設定したのは晃華学園[1回]と恵泉女学園[1回]、共学校の国学院久我山[1回]、1日午後にはカリタス女子[1回]といった具合に、各校の思惑がうかがえる。
図2は2日と3日の様子を示している。並び順は図1と同様だ。15年に1日から移動してきた6校を迎え撃つ立場の2日入試回について、14年より女子受験者数が減少した順に見ていくと、豊島岡女子学園[1回]が▲335人と際立っており、鴎友学園女子[2回]▲105人、白百合学園▲98人、洗足学園[2回]▲89人、青山学院▲86人、渋渋▲51人となっている。
16年に14年並みまで戻しきれない学校が多い中、逆に勢いづいて14年より増えているのが洗足学園[2回]+172人と吉祥女子[2回]+116人、共学校では青山学院+76人(男子も+51人だった)であり、白百合学園も+11人と健闘している。
サンデーショックの影響は3日の入試回にも及び、図2の学校はいずれも15年に大きく増やしていることがうかがえる。わずかとはいえ、その中で16年も増加基調を保ったのが東洋英和女学院[B]と慶應義塾中等部の男子受験生だった。
26年のサンデーショックでどのように受験者が動くかを考えるため、次ページ以降に23年から25年の受験者数と実倍率を次のページ以降に図3から図6として載せてあるので、適宜参照していただきたい。