
働き方改革の影響で、多くの企業で残業時間が減っている。そんな中、若手社員の指導にあたる上司には、自分たちが若手だった頃のようにがむしゃらに働くことができず、成長につながらないのではないかと不安に思う人が一定数いるようだ。長時間労働ができない時代に上司はどうやって部下を成長させるのか、考えてみよう。(山田進太郎D&I財団 COO 石倉秀明)
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「20代はワーク派」でも
残業は週1-5時間を希望
読者には管理職として働き方改革を推進するために、部下の勤怠や残業時間に気をつけながら仕事をしている人も少なくないのではないだろうか。
それと同時に、昔はがむしゃらに働けたけど、今はそうではないので現在の若手の将来のキャリアを心配している人もいるかもしれない。本当は負荷をかけてたくさん働く時間をつくった方が将来のためになるのでは?と思いながらも、会社から残業させるなと言われている場合がほとんどではないだろうか。
実際に働き方改革の影響によって、働く時間に関しての意識は変わってきていると感じる。25年4月に発表されたマイナビの就活生を対象にした調査によると、20代では「ワークを重視」するという人が57.7%と、ライフ重視(39.3%)を上回ったという(マイナビ「2026年卒 大学生キャリア意向調査3月<就活生のワークライフバランス意識>」)。
一見、働き方改革の流れと矛盾しているように見えるが、ワーク重視の人でも許容する残業時間は週1-5時間が43.4%と最も多く、次いで5-10時間が37.1%となっていて、がむしゃらに長い時間働くといったことを望んでいるわけではない。
そのように、長く働くことが難しい今、上司はどのように部下を育てていけばよいのだろうか。上司が心得ておくべき、考え方がある。