「来年の5月以降、今まで皇太子殿下が行ってきたものというのが、今度は天皇になられると、それをあわせてするということはできなくなります」
「私も自分で行っていることがあります。総裁とか名誉総裁をしているものもあります。それらをそっくり誰かに今度は譲る、引き渡すということ、これも、それを受ける先はありません。そのようなことから、今、宮内庁として考えていることは、いったんすべて皇太子殿下のお仕事を宮内庁のほうで引き取って、それを整理をして、それで次に私がどのものをその後、行っていくか、というのを検討しているところです」
また、退位する上皇ご夫妻への思いを記者から重ねて尋ねられた宮さまは、次のように答えている。
「即位以来、象徴とはどのようにあるべきかという、その象徴としてのあり方について、常に模索し考えてこられ、そして、一昨年(2016年)の8月に、今のお気持ちというものを表明されましたが、その中に全身全霊という言葉がありました。まさしく、その全身全霊でお務めを果たしてこられたと、私は思います」
上皇さまは「象徴とはどのようにあるべきかという、その象徴としてのあり方について、常に模索し考えてこられた」と、秋篠宮さまは話す。

その果実の1つが、あの上皇さまのビデオメッセージである。悠仁さまがこれから一生涯をかけて、じっくりと味わい、実践すべき内容だと言える。
そして、秋篠宮さまは上皇さまを支えてきた母、上皇后美智子さま(当時は皇后陛下)への思いも打ち明けた。
「皇后陛下は、その陛下のお務め、それから立場を重んじ、さらに宮中に伝わる伝統を守り継承してゆくことに心を砕かれながら、ご結婚以来、非常に長い期間、60年近くにわたって陛下を支えてこられました。これはなかなかできることではない」
とした上で、さらに、次男という立場での感謝の気持ちをこう伝えている。
「二十何年、一緒に過ごしていましたからですけれども、常に笑いのある、そういう温かい家庭を築いてくださいました。そのことに感謝したいと思います」