「壁に耳あり」は病院にも当てはまるようになるかもしれない。医師と患者のやり取りを記録するという、医療において必要ながら負担の大きい作業を、急成長の技術「アンビエントリスニング(ambient listening)」が引き継ごうとしている。人工知能(AI)を活用したこのシステムは外来診療ですでに導入されており、病室や救急外来にも進出しつつある。病床での会話を記録し、診療記録を更新し、治療計画をまとめ、退院時の指示書を作成することができる。こうした技術は「AIスクライブ」と広く呼ばれており、スタンフォード・ヘルスケア、マス・ジェネラル・ブリガム、ミシガン大学ヘルス、アーデント・ヘルスといった米国の医療機関が採用している。