大半の米国民は来年の中間選挙のことなど考えていない。しかし、共和、民主両党の指導者、議員、候補者たちは考えている。それにはもっともな理由がある。2026年の戦いの場となる連邦議会の上下両院選や知事選、州議会選のうち、最も重要なのは下院選になる公算が大きい。多数派が共和党から民主党にひっくり返る可能性が最も高く、その場合ドナルド・トランプ大統領の任期最後の2年間に大きな障害をもたらす。下院の勢力は現在、拮抗(きっこう)している。共和党が220議席、民主党が212議席を占める。このほか欠員が3議席あり、以前はこれらすべてを民主党が持っていた。このため、あらゆる法案が可否の読めない緊張感のあるものになっている。下院は2週間前、トランプ氏が「大きく美しい法案」と呼ぶ税制・歳出法案を賛成215票、反対214票で可決した。1人が「出席(棄権)」し、2人は投票しなかった。前日にジェラルド・コノリー議員が死去していなければ、賛成215票、反対215票で否決されていたかもしれない。
【寄稿】2026年米中間選挙を展望する
下院は民主党が多数派を奪還する可能性が高いが、確実とは言えない
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