「%」はグッドアイデアが出る確率を示す。闇雲に要素を組み合わせ続けていても、グッドアイデアに出合う可能性は小さい。そのために必要なのが、この確率をいかに上げるかである。

 確率を上げる代表例には、アイデアをまずは発散させ、その中からグッドアイデアを選び、そのアイデアを起点にまた発散を繰り返す「発散と収束」がある。

 このようにアイデアづくりは、アイデアの数を増やす(N)、またはグッドアイデアの確率を上げる(%)の2つに大別できる。そして世の中で語られているアイデアの発想法はこのどちらかに当てはめられる。

 アイデアを大量に出すこと、確率を上げること、この2つに目が向けられているために、見過ごされている点がある。それが前述の「基準」である。どのような基準を満たせばグッドアイデアなのか、この基準を定めることから始めなければならない。

ビジネスの中核を担う
アイデアの特徴とは?

 基準の理想は、前述したダーツの的である。ビジネスのように、複雑で自由度が大きいものを扱うのであればなおさらだ。ビジネスの中核を担うアイデアを発想するためには、シンプルで本質的な基準が必要である。

 あなたは業種や相手(B to B/B to Cなど)によって、基準は大きく異なると思っているかもしれない。しかし、原則は実は同じだ。ビジネスの中核を担うアイデアの基準は、〈独自性〉と〈市場性〉の両立である。

図P21同書より転載 拡大画像表示

〈独自性〉とは、競合との差異の大きさである。あらゆるものがコモディティ化していく今日において、〈独自性〉なくしてビジネスで勝つことはできない。