そもそも、あなたのアイデアづくりに良し悪しを判断する「基準」は存在するだろうか。もしくは、アイデアを考える前に、「基準」の検討に時間を費やしているだろうか。

 この問いにYESと答えられないのであれば、アイデアの乏しさは、やはり才能やセンスが原因ではない。

 才能やセンスに頼らないために、「基準」に加えてもうひとつ携えておきたい方法がある。それは基準を満たすアイデアを手に入れるための「手順」である。ダーツでいえば、矢を投げるフォームだ。

 正しいフォームがなければ、何度も同じ的に投げることができない。ダーツもアイデアづくりも求められるのは再現性である。たまたま刺さったでは、自身の成功を運に任せているのと同じだ。

 この「基準」と「手順」を併せて「公式」と呼ぶ。この「公式」を身につけることこそが、あなたに最も必要なことであり、この記事がその役割を果たす。

「グッドアイデア」を
見つけるための手順

 アイデアを生み出すには、定番となっている考え方がある。それはジェームス・ウェブ・ヤング氏の著書『アイデアのつくり方』で述べられている「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」である。

 このアイデアづくりの前提に従うと、あなたが「求めるグッドアイデア」はこのように表わすことができる。

Good Idea=N×%

図P19同書より転載 拡大画像表示

「N」はアイデアの数を示す。グッドアイデアを見つけるためには、理論的には要素を組み合わせ続ければよい。つまり、とにかく数を出して組み合わせ続けることが重要である。「まずは100案」という指示を受けたことがあるかもしれないが、アイデアづくりの前提からすると理にかなっているといえる。