右下にくるのは、量販店で売られているような衣料品である。トレンドに左右されないベーシックなデザインを売りにしているため、多くの人に受け入れられる。つまり〈独自性〉が低く〈市場性〉が大きい。このような傾向は、あらゆるテーマで当てはまる。
このような傾向に対して、右上を狙うのが「両立」である。
通常は左上か右下のどちらかの選択が迫られる中で、右上のポジションをとることができれば、競合に対して競争優位を築くことができる。この右上には、イノベーションに成功したあらゆる事業が当てはまる。GAFAと呼ばれるグーグル、Amazon、フェイスブック、アップルのような、ITプラットフォーマーはイメージしやすいのではないだろうか。
正しい情報は〈独自性〉を
殺してしまうおそれがある!?
〈独自性〉と〈市場性〉の両立に対して、どのようにアプローチしていくべきか。結論から述べると、以下の3ステップで事業の中核となるアイデアを手に入れることができる。
(1)発想する:〈独自性〉の創出
(2)定める:〈市場性〉の要件化
(3)見極める:要件を満たす〈独自性〉の選択
この3ステップは、先の〈独自性〉と〈市場性〉の関係を示した図「アイデアの手順」で説明することができる。
「(1)発想する」は、〈市場性〉のことは横に置き、図の左上の領域の〈独自性〉から考える。
「(2)定める」は、左上から右上にシフトさせるために必要な〈市場性〉の要件を洗い出す。
「(3)見極める」は、手元にある〈独自性〉が〈市場性〉の要件を満たすかどうかを検証する。満たしていればその〈独自性〉を選択、満たしていなければまた「(1)発想する」に戻る
