「推薦入試組と一般入試組は学力の差が大きい」は本当か。大学入試の意味と本質を考える

「推薦の本来の意味」を考える

――お話聞いていると、「一般組が優秀」というニュアンスを感じるのですが、実際はどうなんですか？

びーやま：僕が一般組かつ浪人までしているので、一般組に熱が入ってしまうのはあると思います。笑

　ただ、推薦組が賢くないかというと、当然そんなことはありません。

　推薦組は頭のよさの種類が違う印象です。

　推薦を取るためにちゃんと必要なことを整理して、戦略を練って“コツコツ積み上げられる”。これが推薦組の強みなわけですが、どれも社会では超大事だとされている能力です。

　その意味では推薦組は学力に留まらない基礎的なスペックが高いイメージです。

　僕の高校時代の同級生も超高スペック人間で慶応に推薦で進学しましたが、本当に頭がいいなといつも感じていました。

　なので、推薦組は推薦組にしかない強みはめちゃくちゃあります。

　加えて、「推薦が悪」みたいなのは間違っていると思っていて、制度があるから使っているだけで、学生に非はありません。

　ルールを破ったわけでも、ずるをしたわけでもありません。

――推薦組の強みもわかりました。今後は推薦入試がさらに増えていくとされていますが、その点についてはどう思われますか？

びーやま：そうですね。「推薦の本来の意味」は忘れないでほしいなと思います。

――どういうことでしょうか。

びーやま：推薦というのはもともと、超優秀な人のために生まれています。

　要するに、一般入試なんてやらなくてもわかるくらい優秀だから先に合格出しますよというのが基本だったわけです。

　ですが、今の推薦はそうではなくて、「一般じゃ無理だから推薦で先に」というニュアンスが強くなっています。

　学校によっては、「上位層は一般でも受かるから、なるべく推薦は下位層に推薦を譲ろう」という空気もあります。これは推薦の本来の意味とは真逆ですよね。

　こういった歪んだ形になるから、一般組と推薦組の差が大きくなるわけです。推薦が本来の意味で運用されていたら、一般組よりも優秀なわけですからレベルは維持されますよね。

　もちろん、各大学の経営事情が厳しいのは理解しますが、やりすぎは長期的なメリットがないのでやめてほしいなと思うところです。

――おっしゃる通りですね。最後に学生にメッセージはありますか？

びーやま：推薦だろうが一般だろうが、受験生は自分のことに専念してほしいと思います。

　どちらの道も正解ですが、自分とは違う道の人を非難するのは違います。

　そんなことをしたって1ミリも成長に繋がらないですから、自分のことだけに集中してほしいです。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま［著］
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ（たまにポンコツ）で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん［協力］
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退（現役合格）。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。