午前6時から9時の
起床がよいワケ

 最初に、特に重要な3原則について詳しく説明します。

 ただ、これらの3つの点は、あくまで骨格です。生活リズム全体は、食事(時間)、活動などが合理的に、昼と夜の役割に沿った形で1日のリズムに組み込まれたときに、トータルとしてその人に合った本当に良いリズムになります。

 まず、最初に重要なことは、起床時間を決定することです。

 午前6時から9時の間に起床し、ほぼ毎日同じ時刻に起床することが大切です。

 なぜ午前6時から9時の間が望ましいかというと、午前7時から8時の間に夜間低かった血中コルチゾールの値が最大になるからです。コルチゾールの増加は、血糖値を上昇させるなど、活動するための準備を整えます。

 したがって午前7時から8時に最大になるコルチゾールの時間に合わせ、多少の個人差を考慮して、午前6時から9時の間に起床すればよいと思います。

 会社員などとして働いていたときは、起床時間を始業時間に合わせて決めていたと思います。定年後は、午前6時から9時の間であれば自分が起きやすい時間で起床すればよいわけです。

 もちろんこれより少し早く起きても構いませんが、極端に早く起きるというのは避けたほうがよいと考えます。

 そして、一度起床時間を決めたら、毎日ほぼ同じ時刻に起き、同じリズムで生活することが肝要です。そして起床した後、朝日を浴びることが重要で、起床後から午前中の間に20分程度の日光を浴びることをおすすめします。

 若者のソーシャルジェットラグ(編集部注:一般社会の中で求められる生活時間と、個人の体内時計が慢性的にずれてしまっている状態)は、例えば若年勤労者では就業日は仕事のため朝7時に起床するが、土曜、日曜は10時ごろに起床するといった現象で、就業日と休日で起床時間が大きく異なることが問題です。

 起床時間のずれを避けることが大切で、自分のリズムで起床することができればソーシャルジェットラグを避けることができます。