夕方以降は
眠らないのが吉

 3番目のポイントは、午後、特に夕方の午後3時から6時にかけてまとまった睡眠をとらないことです。

 たとえば、休日の午後に眠くなって1時間でも眠ってしまうと、その夜眠れなくなるという経験は多くの人がされていると思います。

 定年後は毎日が休日のようなものですから、午後から夕方に眠くなってついつい寝てしまうことが考えられます。その夜、寝つきが悪くなった結果、リズムの崩れが始まってしまいます。

 私たちが夜眠くなるのは、起きている間に睡眠欲求が蓄積していくからです。朝起きてから睡眠欲求は時間とともに蓄積していき、午後から夕方頃にかけて眠くなってきます。

 ここでまとまった時間寝てしまうと蓄積してきた睡眠欲求がゼロに戻ってしまいます。そうすると、本来夜眠る時間に蓄積しているはずの睡眠欲求が小さくなるため、睡眠が障害されることになります。

 ただ午後、特に昼食後は一時的に眠くなるときがあると思います。この際20分程度の仮眠をとること(いわゆるショートナップ)はその後の活発な活動を維持するためにも有効です。

『睡眠・食事・運動で変える 24時間のリズム習慣』書影『睡眠・食事・運動で変える 24時間のリズム習慣』(塩谷英之 メディカル・ケア・サービス)

 むしろ、積極的にとるようにしていただければと思います。ただしその時間は20分程度、多くても30分以内に終わるようにしてください。

(1)起床時間を決定し、毎日その時刻にきっちりと起きる
(2)就寝時間を決定し、毎日アバウトにそれを守る
(3)午後から夕方にかけては眠らない

 健康的なリズムを意識した生活をしたいなら、まず、この3つの原則を作っていただくと、マイリズムの骨格ができあがります。

 ただし、これはあくまで骨格であって、完全な生活リズムとは言えません。

 この骨格に、望ましい食事(特に食事時間)、活動様式が加味されて良好な1日の全体の生活リズムができあがるのです。