10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

「劣等感」だけは絶対に植え付けるな!
低学年の子どもが、算数や勉強を嫌いになるきっかけの1つに、劣等感を植え付けられることがあります。
例えば、解けない問題があったときに、「なんでわかんないの?」と言われる。そうすると、子どもは素直に「なんでわかんないんだろう」と考えます。そして「きっと自分は頭が悪いんだ」と考えるようになります。
これはとてもかわいそうです。
わからないということは、指導者がその子どもに適切な問題を与えていないことが原因なのに。そうやって潰されていく子を見ていると、教育者の1人として非常にやるせなくなります。
「なんでわかんないの?」と言う人は、その子がなんでわからないかがわかっていない。だから、「バカって言う人がバカ」と同じで、こんなことを言う人が愚かだと思います。
子どもを「バカにする」発言はすべてNG
他には、次のような発言も、子どもは「自分がバカだからダメなんだ…」と思ってしまいます。感情的になって、ふと口に出てしまわないように注意しましょう。
□「えっ、間違えたの?」
□「どうして? 信じられないんだけど」
□「はぁ~(呆れ気味のため息)
□「なんでこんな問題で100点が取れないの?」
□「また間違えたのかぁ」
□「何度言ったらわかるの?」
□「机にむかってる間、何してたの?」
□「こんな問題が解けないなんて、将来が心配」
□「これ以上言っても無駄か」
□「教えた甲斐がないわ」
□「期待した私がバカだった」
□「もういいよ(怒って)
*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。