10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

「プレッシャー」は子どもを壊す
算数オリンピックに毎年挑戦している経験から言わせていただくと、親が子どもにプレッシャーをかけすぎると、その子は赤ちゃん返りします。
今まで解けていた問題が全く解けなくなって、逆に「教えて教えて」と甘えてきます。中には、塾に来たとたん、床にゴロンと横になってしまう子もいます。本来、大人も解けない難しい問題を解けるような子たちが、です。
これは、子どもがプレッシャーを感じている表れであると同時に、「助けて」という心の叫びだと思います。「僕は赤ちゃんなんだから、そんなこと出来ないもん。出来なくても仕方ないんだから、怒らないで!」と。
変にプレッシャーをかけることなく、出来るだけのびのびと能力を育んでいってあげたいですね。
「あなたは賢いから、試験で失敗するはずがないよね」
「あなたが失敗したら、家族全員ががっかりするよ」
「あなたが〇〇中学の制服を着ている姿を見るのがお母さんの夢なのよ」
こういった言葉は厳禁です。とくに、失敗が許されない、大一番のテストの時には、プレッシャーを与えないように細心の注意をはらいましょう。
*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。