米中の貿易協議を9日に控え、各国産業界で大きな懸念材料となっている輸出規制が議題トップに浮上している。米中貿易戦争はここ数週間で関税を巡る議論から離れ、代わりに相手国が切実に必要とする物資や製品に対する双方の規制に焦点が移行した。トランプ米政権の交渉担当者が中国の担当者と9日にロンドンで協議する際も、先月ジュネーブで合意した内容に沿って、レアアース(希土類)やレアアースを含む磁石などの輸出を加速するよう中国側に求めるとみられている。一方、中国は米側に対し、ジェットエンジンやさまざまな技術、その他の製品の対中販売に関する新たな規制の撤廃を要求する見通しだ。米中の貿易規制が世界的な物資や原材料、部品の流れを混乱させる中、今回の協議の行方は世界経済にも大きな影響を及ぼす。米中は5月のジュネーブ協議以降、高関税の一時停止で合意したものの、相手が合意を形骸化していると非難し合い、両国間の信頼関係はますます薄れている。
米中貿易協議、焦点は関税から輸出規制に
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