大学が就職予備校化している?
――このテーマ自体がまさにそうなのですが、「大学が就職予備校化しているのではないか」ということも度々議論されますが、びーやまさんはこのことについてどう思われますか?
びーやま:ある程度は仕方がないことだと思います。
しかも、このトレンドも大学が作り出した流れというよりは、社会が新卒採用の際に学歴を見るようになっていることが背景としてはありますから、むしろ大学や学生は抗いようがないのかなと感じます。
少なくとも社会の構造がそうなっている以上、「安定した将来のために高学歴になる」と考えるのは悪くないというか、合理的な判断だとも思います。
加えて、結局その過程で勉強は課されるわけですからマイナスもそんなに大きくないのかなと。大学だって学問はせずに就活だけすればいいよなんてことは言っていないわけですから。
――どうして、「学歴」なんですかね。
びーやま:それが最も公平な基準なんだと思います。
大学受験は18歳になれば誰でも受けることのできる平等な機会です。もちろん、受験料などはかかりますが、特別な受験資格が必要なわけではなく誰でも受けることができます。
育ちも関係ない、性格も関係ない、ただ単純に勉強を頑張ったかどうかだけを見ることができる点がほかにはないので、重要視されているんだと思います。
――なるほど。ただ、その観点だと「大学に入ってから」も重要ですよね。
びーやま:そうですね。なので、そういった部分は大学の成績や筆記テストなどで判断しているのではないでしょうか。
よくこういった話をすると「大学は入学時より入ってからなにを学んだか見るべきだ!」という意見を耳にするのですが、頭のいい大学にいる学生のほうが大学時代もハイレベルな勉強ができるわけで、入学時を抜きにして語るのは違うんじゃないのかなと個人的には思います。
東大生などに話を聞くと、受験時とは違ったとしてもものすごく勉強していますし、早慶生だってそれは同じです。特に最近の大学生は資格や英語、その他の活動などかなり活発ですから、むしろ以前よりも質は高まっているように感じます。
普通に大学に入ってからも勉強している学生も多いわけですから、「大学生は勉強しない」と結論づけてしまうのは違うのかなと。
――よく理解できました。最後に受験生へのメッセージはありますか?
びーやま:文系・理系で悩むのは普通のことです。よくあるのが「友達が文系(理系)だから」というものですが、それはやめてほしいなと。
ちゃんと自分の意志で、自分が学びたいことはなんなのか考え抜いて決めてほしいと思います。
繰り返しになりますが、どちらが有利不利ということはないので、安心してほしいなと。
――ありがとうございます。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。