佐川は増収減益の一方、ヤマトが営業利益6割減でも「最終増益」で着地したカラクリとは?Photo:Bloomberg/gettyimages

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回はSGホールディングス、ヤマトホールディングスの「物流」業界2社について見ていこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

25年3月期はSGHDが増収減益
ヤマトHDは営業利益が減益、最終利益は増益

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の物流業界2社。対象期間は2025年1~3月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・SGホールディングス(佐川急便)
 増収率:12.0%(四半期の営業収益3604億円)
・ヤマトホールディングス
 増収率:6.7%(四半期の営業収益4182億円)

 SGホールディングス、ヤマトホールディングスともに前年同期比で増収となった。SGホールディングスは2桁増収だった。

 2社ともに25年1~3月期は25年3月期の第4四半期に当たる。

 25年3月期通期の業績は、SGホールディングスが営業収益1兆4792億円(前期比12.3%増)、営業利益878億円(同1.5%減)、純利益581億円(同0.3%減)の増収減益。ヤマトホールディングスは営業収益が1兆7627億円(前期比0.2%増)と増収で、営業利益が142億円(同64.5%減)と6割超の減益だった。一方で、純利益は379億円(同0.8%増)と前期を上回った。

 SGホールディングスが増収減益となった要因は何だったのか。また、営業利益が大幅減益だったのにもかかわらず、なぜヤマトホールディングスは最終増益だったのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、詳細を見ていく。