夏に向けてダイエットを考えている人にぜひ読んでほしい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。「1ヵ月で痩せました!」「考え方が変わった!」と絶賛の声が続々。大きな支持を集めている。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。「食欲をガマンしない」「キツい運動はしない」「お酒を飲んでOK」などダイエットの常識が次々と覆される。本記事では、ヘルシーに見えても実は糖質が多い食品について、牧田医師に話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

血糖値コントロールがダイエット成功のカギ
健康的にダイエットするために最も重要なことは、食後の血糖値のコントロールです。
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度を示す指標で、糖質を多く含む食品を摂るほど上昇します。
適切な知識があれば、自分でコントロールできる数値ですが、「ヘルシーだ!」と手に取りやすい食品の中にも、実は大量の糖質を含んでいるものがあります。
ここでは、ヘルシーに見えても、実は糖質を多く含む食品を紹介します。
(1)フルーツジュースや野菜ジュース
ジューサーで絞った果物のジュースや、果物たっぷりのスムージーを日常的に飲む習慣がある方は少なくありません。
「健康のために」と胸を張るその一杯には、果実数個分もの果糖が凝縮されています。スムージーであれば、牛乳やヨーグルトが乳糖を含んでいます。
果物をとるなら、ジュースやスムージーにするのではなく、そのまま少量食べることをおすすめします。
また野菜の代わりに、市販の野菜ジュースをよく飲むという方も多いです。
ですが、市販の野菜ジュースも、飲みやすさを追求するために濃縮果汁や糖類が加えられているケースが多く、血糖値の急上昇を招きやすいので注意が必要です。
(2)そば
健康食の代表格とされるそばですが、私のクリニックで血糖値を測定している患者さんも、ざるそば一枚を食べた直後の急激な血糖値上昇には驚きを隠せません。
そば粉は炭水化物のかたまりです。「二八そば」などといっても小麦粉が加わっているだけで、糖質が多いことには変わりません。
しかも、するするっと早食いしてしまいがちなので、血糖値の急上昇を招きやすくなります。
そばを食べるなら、食べるスピードを意識的に落とし、タンパク質や食物繊維を含むおかずと組み合わせて食べましょう。
(3)ジャガイモ、カボチャ
野菜は総じてビタミン、ミネラル、食物繊維、そして強力な抗酸化作用を持つファイトケミカルが豊富で、糖質制限中に大いに摂って欲しい食材です。
ただし、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類、カボチャは糖質がたっぷりなので、減量したい方は避けましょう。
特に、「サラダや和食=健康食」という先入観があるせいか、サラダに入ったカボチャ、煮物に入ったジャガイモやサトイモなどは見落としがちです。
どのように調理されているとしても、イモ類やカボチャは糖質過多です。
家庭的で健康そうな惣菜に、糖質たっぷりの野菜が入っていることを忘れないでください。
私たちは、無自覚に糖質を過剰に摂取している
このように、私たちの身の回りには「ヘルシーに見える」だけで実は糖質が多い食品が溢れています。
何も考えずに食事をしていると、知らず知らずのうちに過剰な糖質摂取を招きかねません。
一般的な血糖値の基準は、空腹時で110mg/dL未満、食後2時間で140mg/dL未満とされており、これを超えると糖尿病のリスクが高まります。
血糖値の高さは、肥満のみならず、がん、心筋梗塞、脳卒中、アルツハイマー病といった生活習慣病の引き金ともなる「AGE(終末糖化産物)」を増加させる原因にもなります。
まずは正しい知識を身につけ、食事を見直すことからスタートしましょう。
血糖値を安定させる習慣こそが、健康的なダイエットと毎日の健やかな暮らしへの第一歩です。