飲料イメージ飲料業界はどんな人材を求めているのか?(写真はイメージです) Photo:PIXTA 
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2026」の「キーワードで読み解く!注目21業界『最新トレンド』」の拡大版です。

就職活動で大切な業界研究は難しいことではない。自分の将来を考える「地図づくり」のようなものだ。業界環境を知り、社会の仕組みを理解することが、納得のいく就職への第一歩になる。第11回は飲料業界を取り上げる。(Diamond WEEKLY編集室)

酒税改正で転換期
「なぜその商品を選ぶのか」

 ビール業界が大きな転換期を迎えている。背景にあるのは酒税改正だ。発泡酒や新ジャンルとビールとの税率差が段階的に縮小され、今年10月にはビール類の税率が一本化される予定となっている。これまでメーカー各社は税率の違いを前提に商品戦略を組み立ててきたが、その前提そのものが変わろうとしている。

 こうした変化は、単に商品の価格や売れ筋を変えるだけではない。メーカー各社の事業戦略やマーケティング手法、さらには業界で活躍する人材に求められる役割にも少しずつ影響を与え始めている。

 近年の新商品を振り返ると、各社とも「狭義のビール」への投資を強めていることが分かる。アサヒビールは「ザ・ビタリスト」、キリンビールは「一番搾り ホワイトビール」を投入し、いずれも大きな話題を集めた。サントリーも発泡酒や新ジャンルからビールへの移行を進めている。

 これまでのビール市場では、価格の安い発泡酒や新ジャンルが存在感を発揮してきた。しかし税率差が縮小するなかで、消費者にとってもメーカーにとっても「なぜその商品を選ぶのか」という価値そのものが改めて問われるようになっている。その結果、各社はビールというカテゴリーそのものの魅力を高める方向へと舵を切っている。

 一方で、市場全体が拡大しているわけではない。人口減少や若年層の飲酒離れを背景に、酒類市場は長期的には縮小傾向にある。業務用市場もコロナ禍からの回復局面をほぼ終え、大きな成長を期待しにくい状況だ。つまり、限られた市場の中で消費者から選ばれるための競争が激しくなっているのである。

 そのなかで重要性を増しているのが、「ブランドを育てる力」だ。