第7位
『知人の中に、それではうまくいかないと言っていた人がいるから』
「決断できない理由」第7位は、【知人の中に、それではうまくいかないと言っていた人がいるから】。
これも本書で紹介している「直感の罠」のひとつ「素人意見のワナ」だ。
行動経済学の言葉で言うと、「利用可能性バイアス」「利用可能性ヒューリスティック」と呼ぶ。
利用しやすい情報源にアクセスして情報を収集し、安易に判断材料にしてしまうことだ。
昨今はインターネットでその道のプロフェッショナルでもない人が書き込んだ情報を真に受ける人が増えている。
素人意見を参考にして決断するのはリスクが大きいことを肝に銘じておくべきだ。
第8位
『投資対効果がわからないから』
「決断できない理由」第8位は、【投資対効果がわからないから】。
なんらかのコストを投下した以上、ある程度のリターンを回収したいという気持ちになるのはわかる。
しかし、すべてのことにリターンが見込める投資などあり得ない。
投資するコストは3種類ある。
「お金」「時間」「労力(労働)」である。
これらのコストを投下したら、すべてにおいて期待どおりのリターンを期待していたら、何も動くことができない。
行動スピードが遅い人、決断力がない人ほど「投資対効果」を気にする。
決断せずに、なんとなくすごしているだけでも、「何も決断しないまますごす時間」を投資していることを忘れてはならない。
その「投資対効果」は極めて低いことを知るべきだ。
第9位
『いろいろありすぎて、何をどうすればいいのかよくわからないから』
「決断できない理由」第9位は、【いろいろありすぎて、何をどうすればいいのかよくわからないから】。
選択肢が増えるほど選択ができなくなること、間違った意思決定をしてしまうことを「選択のパラドックス」と呼ぶ。
高度情報時代となり、次から次へと情報を集めてテーブルの上に並べ、ずっと眺めていると、何を選択したらよいか、余計にわからなくなる。
「確実性の罠」についてはすでに解説した。
もっと確率の高いやり方はないか。もっといい方法があるに違いないと、次から次へと情報を集めていくと、いろいろありすぎてわからなくなってしまう。
これが「選択のパラドックス」である。