「部下の8割は目標予算を知らない!」という『絶対達成する部下の育て方』と、「自信をつけるのに、モチベーションは100%必要ない!」とそれぞれ話題を呼んだ『絶対達成マインドのつくり方』の「絶対達成」シリーズが7.5万部を突破した。
【前篇】では、今年こそ、目標を絶対達成したい!あなたに贈る、目標を「絶対達成」する7つの原則、を紹介した。
【後篇】では、編集者が著者に製作の舞台裏を聞きながら、「絶対達成シリーズ」企画の意味と読者への効能を聞いた。

「予材管理」の効能とは?

横山信弘(よこやま・のぶひろ) アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。1969年、名古屋市生まれ。年間100回以上のセミナーは5000名超の経営者/マネジャーを集め、常に満員御礼。企業研修は基本的に価格がつけられず、「時価」。それでも研修依頼はあとを絶たず、向こう8ヵ月先まで予約は埋まっている。ポリシーとして、コンサルティングは質を保つため、年間7~8社しか請け負わない。著書に、『絶対達成する部下の育て方』『絶対達成マインドのつくり方』(以上、ダイヤモンド社)、『脱会議』(日経BP社)。

寺田【前篇】では、目標を「絶対達成」する7つの原則、をお聞きしました。【後篇】では、「絶対達成」シリーズの『絶対達成する部下の育て方』(以下『部下本』)と、シリーズの「OS」ともいうべき、『絶対達成マインドのつくり方』(以下『マインド本』)の製作舞台裏を中心に、どうしたら「絶対達成マインド」が身につくか、話していきたいと思います。おかげさまで『部下本』は、発売してちょうど1年くらいですが、第11刷4万部(2013年1月17日現在)。Amazonでも2012年「文芸・文庫・新書・ビジネスほか」で年間19位となりました。これは新書や文庫も含めてのランキングということで意味深いと思いますが、日々現場に立たれていて、お客様に支持されている理由は、どういうものを感じますか。

横山 企業経営者は、日々結果を出すことに本気です。『部下本』は経営者や管理者が読んで部下に読ませる本でしょうから、クライアントさんから「おまえ、これ読んでおけ」と言っておきました、とよく現場で聞きます。「うちも10冊まとめ買いました」とか、「これチーム全員で読んでいます」と言われました。うれしいですね。経営者やマネジャー一人で読んでいると、たぶんストレスがたまるだけだと思います(笑)。

寺田 『部下本』表2のソデに「中途半端な『八割部下』が、やりきる『十割部下』に変わる!」とあり、オビには、「部下の8割は目標予算を知らない!」とあります。部下の人たちは、いまだに目標が見えていない人が多いのでしょうか?

横山 そうでしょうね。『部下本』の感想で最もうれしいのは、「この本はもうバイブルです」と言ってくださる方が多いことです。「よくぞ書いてくれた」という意見もたくさんいただきます。そういった感想を寄せてくださるのはきっとストレス耐性の高い人でしょうが、そういう人たちが口コミで徐々に広げてくれたのかもしれません。

寺田 書店員さんのなかには、「予材管理」を応用したら、目標なんて簡単に到達するようになったと、本気でおっしゃっていた方がいます。私自身も「予材管理」で「予材2倍」と言われたときに、「2倍かあ!」って思ったのですが、2倍を常に意識するだけで、この1年変わりました。私の場合、毎朝、今後1年先の編集「予材」を見るのが癖になりました。いま、これどうなっているんだろう?「予材管理」で目標予算の2倍を日々意識することで、振り返りを毎日するようになったのです。そうすると、布石を打っておくべき箇所が次々あぶりだされてきます。どうしても先送りしがちな案件でも、日々振り返ることで、これはやりきるぞ!という強い気持ちが沸き起こってきます。『部下本』の外面は「部下の育て方」になっているので、上司や管理職向けに見えますが、実はこれ、個人レベルでの目標達成を強力に後押ししてくれる本です。少なくとも書籍編集者は絶対必須な本だと断言できます。この本なくして、私自身、これからはやっていけません。私はこの本の「目標予算の2倍、予材を積む」という表現にすごく感化されたんですよ。