スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』より、特別に一部を紹介する。

仕事ができない人に限って知らない「最速仕事術」とは?Photo: Adobe Stock

「4ステップ」を毎日繰り返すだけ

 メイクタイムの4ステップは、僕らがスプリントや独自の実験、読者が実際に試して得た結果などから学んだことをもとにしている。

 1日の流れを大まかに表すと、こんなふうになる。

仕事ができない人に限って知らない「最速仕事術」とは?イラスト:docco

 ステップ1で、その日に優先する「ハイライト」を1つ決める。

 ステップ2で、特別な戦術を使ってハイライトに「レーザー光線のように集中」し続ける。つねにつながり続けているこの世界で、気を散らすものに打ち勝つ秘訣を紹介しよう。

 ステップ3で、時間と注意力を1日中コントロールするために「エネルギー」を蓄える。

 ステップ4で、1日を振り返って簡単な「メモ」をとる。

 各ステップにズームインして、くわしく見てみよう。

ハイライト:
毎日「最重要事項」を選ぶ

 メイクタイムの最初のステップでは、何のために時間をつくるのかを決める。毎日、その日の優先事項としてスケジュールを確保する活動(=ハイライト)を1つ決めよう。

 大事な仕事(プレゼンテーションの準備など)でもいいし、家庭での活動(夕飯づくり、ガーデニングなど)でもいい。やる必要はないがやりたいこと(子どもと遊ぶ、読書など)でもいい。

 また、ハイライトは複数のタスクを含むものでもかまわない。

 たとえばプレゼンテーションの準備を仕上げるには「結びの言葉を書く」「スライドを完成させる」「リハーサルをする」といったタスクが含まれるかもしれない。ならば、「プレゼンテーションの仕上げ」をハイライトに選べば、必要なすべてのタスクが対象になる。

 1日中ハイライトだけに取り組むわけではないが、とにかくそれが最優先事項になる

「今日のハイライトを何にしよう?」と考えることで、自分の大事なことに時間を使うようになり、他人の優先事項に反応してまる1日を無駄にしなくなる。ハイライトを選ぶことで、前向きで積極的な気持ちになれるのだ。

 そんな気持ちになれるように、ハイライトの章では1日のハイライトを選び、それをやり遂げる時間をつくる戦術を教えよう。

 でもそれだけでは足りない。集中を邪魔されないように、気を散らすものに反応する方法を見直す必要がある。それをするのが、次のステップだ。

レーザー:
「気を散らすもの」をとっぱらう

 メールやSNS、ニュース速報などの気を散らすものはどこにでもあり、この先もなくなることはない。洞窟に暮らし、ガジェットを捨て、テクノロジーを完全に断つなんてことはできない。

 でも、反応のサイクルを断ち切るために、テクノロジーの使い方をデザインし直すことはできる。

 この項では、テクノロジーを調整して、レーザーモードに入りやすくする方法を教えよう。

 SNSのアプリからログアウトする、時間を決めてメールチェックする、といったちょっとした変更が大きな成果を生むこともある。レーザーの章では集中力を高める具体的な戦術を紹介しよう。

チャージ:
体を使って「脳を充電」する

 集中力を高め、大事なことのための時間をつくるには、脳にエネルギーが必要だ。そのエネルギーは、体をケアすることで生まれる。

 メイクタイムの3つめの要素として、「運動や食事、睡眠、静寂、親密な時間などでバッテリーを充電する」ことが入っているのは、そのためだ。

 これは想像するほど難しいことじゃない。

 21世紀のライフスタイルは、人類進化の歴史を無視して、僕らからエネルギーを奪うかたちになっている。これは考えようによってはラッキーなことだ。本来あるべき状態とあまりにもかけ離れているから、簡単に修正できる余地が大きいのだ。

 チャージの章では、仮眠や運動、カフェインの戦略的利用などの戦術を紹介する。

 健康マニアになれとか奇抜なダイエットをしろなんて言わない。僕らが提案するのは、ちょっとした変更でやりたいことをやるエネルギーがすぐに得られる方法だ。

チューニング:
システムを調整、改善する

 最後のステップとして、「寝る前にメモをとる」。超簡単なことだ。

 どの戦術を続けたいか、改善したいか、やめたいかを考えるのだ。その日のエネルギーレベルがどうだったか、ハイライトの時間をつくれたか、その日何に喜びを感じたかを振り返ろう。

 これを続けるうちに、あなたの習慣と日課、脳と体、目標と優先事項にぴったり合った毎日のシステムができあがる。

成功のコツは「選ぶ、試す、繰り返す」

 この本にはメイクタイムを実践するための87の戦術がつまっている。

 あなたに合う戦術もあれば、合わないもの(や、ばかばかしいとしか思えないもの)もあるだろう。この本は料理本のように考えてほしい。料理本のレシピを一度に全部試す人がいないように、全部の戦術を一気に試す必要はない

 むしろ戦術を選び、試し、繰り返してみよう。

 まずは試してみたい戦術をチェックしながら、最後まで読んでほしい。ページの角を折ったり、紙に書き出すのもいいだろう。難しいがギリギリできそうなものや、おもしろそうなものを探そう。

 初めてメイクタイムをやる日は、各セクションから戦術を1つずつ選ぶといい

 ハイライトの時間をつくるための戦術を1つ、レーザー光線のような集中力を維持するための戦術を1つ、エネルギーを蓄えるための戦術を1つ。合計3つの戦術だ。

 毎日新しい戦術を試さなくてもいい。

 いまやっていることに効果があるなら、ぜひ続けよう! 効果がないか、もっと効果を上げられると思うなら、毎日が実験のチャンスだ。

 あなたに合った完璧なメイクタイム・システムをつくってみよう。自分でつくるからこそ信用できるし、いまのライフスタイルに無理なく取り入れることができる。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』からの一部抜粋です)