おすすめポイント
世の中には「話していると楽しい/元気になる」とされる人がいる一方で、「話しているとしんどい/疲れる」と言われる人もいる。できることなら「話していると楽しい人」になりたい。これが多くの人の本音ではないだろうか。
本書は、「話していると楽しい人」が実践している、「言い方のちょっとした違い」を紹介する一冊だ。「ちょっとした」とある通り、本書で紹介されるポイントはどれも取り入れやすいものばかり。相手のしぐさや表情を観察する、間(ま)を取りながら話す、相手の話の中で気持ちが激しく動いた言葉をオウム返しするなど、誰でも今日から試せるはずだ。
著者の野口敏氏は35年にわたって話し方教室を主宰し、企業向けのコミュニケーション研修・講座も多く手がけてきたコミュニケーションのプロだ。野口氏によると、「話していると楽しい人」は「自然と周りからサポートを受けて、人生のあらゆることがうまくいく」という。実際、笑顔で周囲に挨拶し、さりげない声かけで周囲を和ませていた人が、頼んでもいないのに、友人たちの後押しによって条件のいい企業に転職できたエピソードが紹介されている。コミュニケーション力を磨き、愛される人になるだけで、幸せがやってくるのだ。
「話が盛り上がらない」「人見知りで話すのが苦手」「誰からも好かれ、信頼される人になりたい」――そうした悩みや願いを抱えた人にぴったりの一冊だ。(林 美夢)