スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』より、特別に一部を紹介する。

仕事ができる人は絶対にやらない「たった2つ」の習慣とは?Photo: Adobe Stock

現代人を忙しくさせている2つの原因

 本書のシステム「メイクタイム」は、生産性とは関係ない。

 作業効率を高めるとか、やるべきことを早く終わらせる、家事をアウトソーシングする、なんて話じゃない。それはあなたにとって大事なことをする時間をもっとつくるためのノウハウなのだ

 家族とすごす、語学をマスターする、副業を始める、ボランティア活動をする、小説を書く、マリオカートをきわめるなど、何のための時間をつくるのにも、メイクタイムは役に立つ。

 そしてメイクタイムを実践するうちに、1日ごとに自分の人生を思い通りに生きられるようになっていく

 まず最初に、なぜ近ごろは毎日がこんなに忙しくバタバタしているのか、その理由を教えよう。また、あなたがいつもストレスいっぱいで集中できないと感じているとしても、それがあなたのせいじゃない理由も説明しよう。

 21世紀のいま、2つの大きな力があなたの時間の1分1秒を得ようと競い合っている

「自分だけ」が通用しない

 1つは「多忙中毒」と僕らが呼ぶ風潮。忙しいのをよしとする考え方だ。

 メールであふれんばかりの受信箱に、びっしり埋まった予定表、長い長いやることリスト。

 この中毒にはまっていると、現代の職場の要求に応え、社会で務めを果たすために、つねに高い生産性を保たなくてはならなくなる。ほかのみんなが忙しくしているなかで、自分だけペースを落とせば、二度と遅れを取り戻せなくなってしまう……。

気づかぬ間に疲労を加速させている

 あなたの時間を奪っている2つめの要因は、僕らが「無限の泉」と呼ぶものだ。

 これはスマホのアプリなど、コンテンツがたえず補充されるものをいう。スマホやタブレットの画面を下に引っ張って更新するものや、ストリーミング配信されるものは、全部これに入る。

 こうしたいつでも利用可能な、常時更新されるエンタテインメントは、たえまない忙しさに疲れ果てているあなたへのご褒美になっている。

 でも、たえまない忙しさは、本当に避けられないのか?
 無限の気晴らしは、本当にごほうびなのか?
 それとも、誰もがただ自動運転モードから抜け出せないだけなのか?

時間の9割は「デフォルト」

「多忙中毒」と「無限の泉」の2つの要因がなぜ強力かといえば、それらが生活のデフォルトになっているからだ。技術用語でいうデフォルトとは、何かのデバイスを使い始めるときの「初期設定」のことだ。ユーザーは自分で変更しない限り、そのままの設定で使い続けることになる。

 たとえば新しいスマホを買うと、ホーム画面にはデフォルトでメールやブラウザのアプリが入っている。デフォルトの設定だと、メッセージが着信するたびに通知が来る。壁紙や着信音もデフォルトのものが設定されている。

 こういったオプションはどれもアップルやグーグルなどのスマホのメーカーによってあらかじめ選ばれたものだ。変更したければ変更できるが、それには手間がかかるから、多くのデフォルト設定がそのまま定着する。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の人生を取り戻す「完璧な習慣」』からの抜粋です)