高学歴な人は「意味がない」とは言わない

――なるほど。次はどうでしょうか。

びーやま:2つ目は苦手を克服する力です。

 勘違いされがちですが、高学歴な人もなにも最初から勉強ができた人ばかりではありません。

 名門大学の学生だって、むしろ勉強は嫌いだけど頑張ったという人がほとんどです。

 そういった人は苦手なことやできないことにどのように向き合って取り組んでいくのかという、人生において最も役に立つ能力を持っています。

 大人になって仕事をしていれば、やりたくないことや苦手なことにぶつかる瞬間は必ずあるわけですが、高学歴の人はこういった経験を活かしてなんとか自力で乗り越えます。

 もちろん、低学歴の人も勉強以外のことで苦手を克服した経験があればいいですが、そうでないのならやはり苦労する傾向はあるかなと思います。

――たしかに。若いうちにつらい勉強を乗り越えたというのは大きですよね。

びーやま:そうなんです。しかも、苦手を克服すると大きな自信もつきますからまさに一石二鳥なんです。

――最後はどうでしょうか。

びーやま:僕はこれが一番の差だと感じていて、それが「意味を見出す力」です。

 低学歴の人からよく聞くセリフが「算数とか数学とかやっても意味ない」「古文とかやっても無駄」という言葉です。極めて短絡的だと感じます。

 受験勉強をはじめとする学問は、頭のいい人たちが少しずつ積み上げてきたものです。意味がないわけないですし、その意味は自分で考えるものでもあります。

 少なくとも高学歴の人は、こういった場面で「意味がない」という言葉を使いません。それは自分で意味を見出す力があるからです。

「自分なりに意味を考えるとこう」という視点があるからこそ、視野は広がりますし、知識は深まっていきます。

「数学はなぜ必要なのか」「古文を学ぶとどんないいことがあるのか」と、自分なりに意味を考えることができるというのは非常に大きいことだと言えるでしょう。

 世の中のほとんどのことには意味がありますが、その意味は受験勉強と同じで、表に出ていないことがほとんどです。それらに対して、自分なりに価値を見出すことができるのは何にも代え難い力です。

 加えて、「意味がない」という言葉を使う人は、意味を教えたところでどうせやりませんから、どんどん左は開いていくなと感じます。

――よく理解できました。最後に受験生にメッセージはありますか?

びーやま:受験勉強はそのものにかなり大きな意味があります。もしかすると学歴以上に受験勉強に取り組んだ経験のほうが人生には大きな影響を与えるかもしれません。

 つらいけどあと1問、苦しいけどあと1単語という気持ちで取り組んでほしいと思います。劇的に自分が成長するまたとない機会ですから、多くのことを学んでほしいと思います。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。