インテル、会社分割が唯一の処方箋かPhoto:Bloomberg/gettyimages

 米インテルは財務面と技術面での長年の停滞から抜け出すために、台湾積体電路製造(TSMC)などの半導体メーカーに対する競争力を高める必要がある。そのためには、会社を分割することがますます不可欠になってきているようだ。

 老舗半導体メーカーのインテルは数十年にわたり、自社工場で自社設計の半導体を製造することで利益を上げてきた。同社が世界最小のトランジスタで最速の計算をする半導体を作っていた頃は、このビジネスモデルはうまく機能していた。

 だがTSMCと韓国のサムスン電子が5年以上前に半導体製造における主導権を握ってからは、状況が一変した。両社は受託製造(ファウンドリー)が事業の柱となっている。このことは、半導体の設計でインテルと競合する米エヌビディアや米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)といった企業がインテルよりも優れた工場を利用できることを意味する。

 インテルは製造面でのつまずきを挽回するため、一部の自社製品の製造をTSMCに委託した。だがこれは利益率の低下につながった。自社工場への投資の妥当性にも疑問が生じるようになった。

 投資家が失望するのも無理はなかった。インテルの株価は過去5年間で約65%下落する一方、AMD株は2倍以上、TSMC株は4倍近く上昇した。エヌビディアの株価は16倍以上になった。