次の右折時の事故と逆走は、左側通行に慣れないドライバーが起こすもので、これも深刻です。とにかく、「日本は左側通行」だということを、入国時や、レンタカーの貸出の際に「イヤ」というぐらい徹底するなどの対策が必要です。例えば外国人にレンタカーを貸す際には、各国語で「日本は左側通行、右折注意、他の車の挙動にも注意、逆走は重大事故に直結」などという注意喚起のステッカーを運転席に大きく表示するなどの対策も考えられます。

 更には、レンタカーを貸す際にネットにアクセスして、「日本の交通法規テスト」をやらせて、パスしないと借りられないようにするなど、徹底的にやるべきです。例えば、アメリカなど右側通行の国では、市町村にもよりますが、「直進赤信号でも安全確認の上で右折可」という法規があります。この法律に慣れていると、「右折時には青信号に直面している左方から来る車の安全確認」をしがちです。「右折イコール対向車の安全確認が必要」というのは直感的には違和感があり、ついつい感覚が混乱してしまうのです。

 また逆走というと、認知度の下がったドライバーが起こす悪質な事故というイメージがあります。ですが、これも右側通行に慣れた外国人の場合は、右左折をする際にうっかり反対車線に入ってしまうという危険は誰にでもあるわけで、悪質なドライバーだけが危険というわけではありません。ですから、徹底した注意喚起が必要です。

 安易な外免切り替えを改善するのは待ったなしです。ですが、外国人ドライバーの事故への対策はまた別問題として取り組む必要があると思います。ちなみに外国人向けのレンタカー貸出を規制することは不可能です。運転手不足が深刻化する中で、インバウンド需要を渇望している過疎地の観光業を根底から壊してしまうからです。

※当記事は「ニューズウィーク日本語版」からの転載記事です。元記事はこちら
「外国免許切替」制度の厳格化は必要、だが事故防止はまた別の問題