それって本当?クルマの「当たり前」写真は交通事故のイメージです Photo:PIXTA

外国人ドライバーによる交通事故の報道が増える中、自分の身は自分で守る意識が求められています。実は、街を走るクルマの10台に1台が無保険車。事故の加害者が任意保険に未加入だと、被害者が十分な金銭的補償が受けられない可能性が高くなります。決して他人事ではいられません。(モータージャーナリスト/安全運転インストラクター 諸星陽一)

ドライバーの多様化で
いっそう大事な自動車保険

 連日のように外国人ドライバーによる交通事故の報道を耳にします。もはや、巻き込まれないという保証はありません。そんなときに頼りになるのが自動車保険ですが、皆さんの自動車保険は、そうした事故にも対応しているでしょうか?

 自動車保険(任意保険)の加入率を聞くと、驚くかもしれません。任意保険の加入率は、共済を含めて約88%と言われています。つまり街中を走っているクルマのうち、10台に1台程度は任意保険に加入していないのです! 普通に考えて、常識的な運転をする人は常識的な保険に加入しているでしょう。無謀なドライバーほど保険加入率が低い、と私は考えます。

 自動車保険にはいくつかの種類があります。多くの人が、対人賠償保険と対物賠償保険は無制限で加入していることでしょう。これらは、人に対してケガや死亡を伴う事故を起こしたとき、他人のクルマやお店のショーウインドウなどを壊したときの賠償で、無制限なら上限は関係なく補償されます。道路でフェラーリにぶつかっても、銀座の高級時計店に突っ込んでも、金銭面での大きな負担はありません(もちろん免責額分の負担はあります)。

 一方で、自分がクルマに乗っているときに、誰かに追突されたケースを考えてみましょう。あなたが赤信号で停車中に、信号無視をしたクルマが突っ込んできたシーンを思い浮かべてください。あなたは何も悪くないので過失相殺は100対0で、100%相手(加害者)に責任があります。