――今後も生成AIの進化は続くと思いますが、イラストレーターはAIとどう向き合っていくべきでしょうか?

Rella(レラ)Rella(レラ)。イラストレーター。繊細な色彩と独特の発光表現を得意とする。キャラクターデザインが高く評価され、フィギュアのデザイン案件も多数。個人活動として多くの初音ミク楽曲のイラストを各種SNSに投稿している。代表作は『初音ミク Happy 16th Birthday -Dear Creators-』『初音ミクシンフォニー』シリーズ、『初音ミク・クロニクル』、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』の衣装やMVクリエイティブ案件等。

Rella:私は「審美眼」と「自分のキャリア設計」が、より重要になってくると考えています。たとえば、「最近はこういう表現が流行っている、じゃあ私はその逆をやってみよう」といった判断や発想は、人間だからこそ持てる視点ですよね。

 さらに、言葉にできない「なんとなく」という感覚をくみ取り、形にすることができるのも、経験や感性をもつ人間だけ。今までにないものを見つけ出し、ゼロからイチを生み出す。この姿勢を持ち続けることが、いちばん大切だと思います。

沓名:今までにないものを生み出すことって、本当に一番難しい。でも、だからこそAIにはできないし、イラストレーターだけでなくクリエイティブに関わるすべての人が果たすべき本質的な役割だと思います。私も美大で教える立場として、「見る力」や「考える力」を磨き続ける大切さを伝えていきたいと思います。

対談を始めから読む>>『「イラストレーターになるために美大に行く」は有利か?(1)』から読む