
ドルはここ6カ月にわたって安全通貨としての地位が揺らぎ、従来見られた経済との相関関係が崩れていたが、ようやく本来の動きに戻った。ドルのひどい下落基調が終わりに近づいている兆候かもしれない。
イスラエルがイラン攻撃に踏み切ったことで、マネーは安全資産に逃避し、ドルはその地位を試されることになったが、試練は乗り切った。ICEドル指数は最初の攻撃後の水準を1%ほど上回っている。より重要なのは、ドルが本来あるべき動きをしていることだ。つまり、不安が広がると上昇し、不安が後退すると下落する。
危機の際に世界のマネーが米国に流入しなくなることを懸念していた投資家は、これでようやく一息つける。ドルは不穏な状況下で上昇する限りヘッジの役割を果たし、魅力が高まる。
ドルは今年に入って大きく下落しており(先週反発したとはいえ、1月に付けた高値を10%下回る)、そろそろ下げが一服するかもしれない理由はほかにもある。