当社にとってもっとも重要な課題を特定するためには、まず以下の点を考慮することが重要です。
・売上に対する影響の大きさ
・現在のリソースと能力
・改善の容易さと早期実現可能性
これらを踏まえた上で、優先的に取り組むべき最も重要な課題は「リテンション施策の不足」かもしれません。以下に理由を挙げます。
リテンション施策の不足
理由1:既存顧客の価値
コスト効果:既存顧客を維持する方が新規顧客を獲得するよりもコストが低いことが多いです。販促費(売上の16%)を削減するためには、既存顧客のリテンション率を上げることが効果的です。
理由2:継続収益の増加
安定した収益基盤:継続的に利用してもらうことで、安定した収益が見込めます。家事代行サービスは定期的な利用が期待できる分野なので、リテンション施策が効果を発揮しやすいです。
理由3:顧客ロイヤリティと口コミ効果
ロイヤリティプログラム:ロイヤリティプログラムやインセンティブを導入することで、顧客の満足度とロイヤリティを高められます。満足した顧客は、他人にもサービスを紹介することが多く、口コミによる新規顧客獲得も期待できます。
具体的な施策提案
1.顧客ロイヤリティプログラムの導入
・ポイントシステム:利用ごとにポイントが貯まる仕組みを導入し、一定のポイントで割引や特典を提供。
・リファラルプログラム:既存顧客が新規顧客を紹介した場合、紹介者と新規顧客の両方にインセンティブを提供。
2.定期的なフォローアップとカスタマーサポートの強化
・アンケートとフィードバック:定期的にアンケートを実施し、顧客の満足度を確認する。得られたフィードバックをもとにサービスを改善。
・パーソナライズドコミュニケーション:顧客と定期的にコミュニケーションを行い、特別感を提供する。
3.サービスのカスタマイズ
・顧客のニーズに応じた提案:定期的な利用者のライフスタイルやニーズに合わせたパーソナライズドサービスを提供する。
これらのリテンション施策を実行し、既存顧客の満足度を高めることが、結果的に継続利用を促進し、販促費の削減につながるでしょう。
まだ情報が不足しているのか、AIからの回答には「かもしれません」などエクスキューズがついていますけれど、自社の現状との比較ができる状態、そして「根っこ」に近づいて来た感はあります。
ロイヤリティプログラムを充実させるのは実質的に販促費の増額と変わらないだろうと判断し、「定期的なフォローアップとカスタマーサポートの強化」に注目して、追加でこう聞いてみるのもいいでしょう。
当社の本質的な課題を発見するためには、どんなアンケート項目が有効だと考えますか?
以降は割愛しますが、アンケート項目など、より具体的な「根っこに迫るための打ち手」に迫っていくためのヒントをAIから引き出すことができます。技法「阻害の要因」を起点に掘り下げていくことで、机上の空論ではない本質的な課題発見ができるようになるのです。
(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では、こういったAIを使って問題解決するための56の方法を紹介しています)