
クラウドコンピューティングは米IT大手のアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、グーグルに巨額の利益をもたらしている。その「金のなる木」は現在、台頭する人工知能(AI)クラウド専門企業と、業界での影響力を強める米エヌビディアという脅威にさらされている。
AI半導体大手のエヌビディアは2年前、独自のクラウドコンピューティングサービス「DGXクラウド」を立ち上げた。同社はまた、クラウド大手と競合する新興企業の成長を後押しし、AIクラウド企業のコアウィーブやラムダに投資している。
こうした動きがもたらす影響はまだ目立たないものの、コンピューティング需要のAIへのシフトが継続し、エヌビディアが業界を代表する「武器商人」であり続ければ、競争の勢力図が変化することは容易に想像できる。
DGXクラウドは急成長している。サービス開始時にUBSのアナリストは、年間売上高が100億ドル(約1兆5000億円)を超える事業に成長する可能性があるとの見通しを示した。また、3月にナスダック市場に上場したコアウィーブは、今年の売上高が約50億ドルになると予想している。