
イランがこの数十年で最も深刻な脅威にさらされ動揺する中で、同国と中国、ロシア、北朝鮮との協力関係は極めて重大な試練に直面している。それは、これらのパートナーがイランを助けに来てくれるのかということだ。枢軸とも称されるこの関係に、米国とその同盟国は警戒感をますます強めていた。
核計画や通常兵器に対する米国とイスラエルの攻撃で受けた被害からイランを立ち直らせるために、中国、ロシア、北朝鮮の3カ国は極めて重要な支援を提供する可能性がある。そうなれば協力関係は強化され、台湾や朝鮮半島、東欧で起こり得る紛争に対して強力なシグナルを送ることになる。
実際、中ロ・北朝鮮の3カ国はイランの核計画構築を支援し、米国とイスラエルはこの計画をつぶそうと努めてきた。
非営利の米シンクタンク「核脅威イニシアチブ」によると、イラン最大の核研究施設で米国による攻撃の主な標的となったイスファハンの施設は、中国の支援を受けて建設され、1984年に開設された。そこでは中国から提供を受けた小型の研究用原子炉3基が稼働している。
北朝鮮はイランの核開発拠点で使われている地下トンネルの設計を支援した。ロシアによると、イラン国内では現在、ロシアの核専門家が何百人も働いているという。
しかし、中国とロシア、北朝鮮は、急いでイランの側につきたがっているようには見えない。大きな理由の一つは、米国が イランの核施設爆撃 という形でイスラエルのイラン攻撃に加わるというドナルド・トランプ米大統領の決断によって、イランの復興支援がはるかにリスクの高い、地政学的に一段と緊張をはらむものになったことだ。
「イランは文字通りビルド・バック・ベター(より良い再建)を果たす可能性がある」。米シンクタンク「民主主義防衛財団」のベナム・ベン・タレブル氏はこう語った。ただ、タレブル氏は依然、こうした支援が近いうちに行われることについては懐疑的だ。「上げ潮によって全ての船が一斉に持ち上げられるような状況は、こうした独裁国家の枢軸を支配する基本的な考え方ではない」