「妻は専業主婦で、普段は家のことや小学1年生の息子・達巳の勉強を見てくれています。半年ほど前から子ども食堂のボランティア活動を始めて、達巳が学校の間はよくお手伝いに行っています。親が忙しかったり、貧困であったりという理由でご飯が食べられていない子どもたちのために、ご飯を作ってあげる活動には賛成ですが、多いと1週間に4日も活動しているんです。私は行ったことがないので分かりませんが、そんなに活動するものなのでしょうか?亜紀葉の様子が変わったこともあって、不倫を疑ってしまっているのですが、何もないことが分かれば安心です」

家族のために買い物
その後は子ども食堂へ

 さっそく調査に取りかかりました。まずは亜紀葉さんの素行を調査するため、ボランティアに行く日を選んで尾行を開始しました。

 朝、達巳くんを学校に送り出した後、亜紀葉さんが自宅を出たのは午前10時過ぎでした。

 エコバッグを手に徒歩でスーパーへ向かい、野菜や日用品を買い込む姿はごくごく普通でした。

 スマホを手にすることはほとんどなく、店員との短い会話以外は特に目立った行動もなく、30分ほどの買い物を終え11時前には帰宅しました。

 ここまでの亜紀葉さんの行動は典型的な主婦そのものでした。

 午後1時過ぎに亜紀葉さんは再び家を出ました。出かけた先は、徒歩で15分ほどのところにある公民館で開催される子ども食堂でした。

 4人の女性と一緒に掃除をしたり、食事の準備をしたりしている様子が公民館の外からでも窓越しに確認できました。

 2時過ぎに1人の男性が来て、準備の輪に加わりました。

 男性は40代前半で背が高く、ポロシャツにジーンズというラフな服装でしたが、亜紀葉さんや他の女性たちが丁寧にあいさつしている様子から、子ども食堂の主催者であろうと思われます。

 亜紀葉さんは3時前に公民館を出て、献立に必要なのか近所のスーパーで調味料などを買っていました。その後、小学校前で達巳くんを迎えて、一緒に公民館に戻りました。