5時ごろから公民館には食事のために親子連れや子どもたちが集まってきました。

 食事を提供し、子どもたちに笑顔で接する亜紀葉さんの姿は、熱心なボランティアそのものでした。

 達巳くんも他の子どもたちと遊んだりして、公民館には笑顔があふれていました。

 その後、7時には片付けを終えて、達巳くんと一緒に帰宅しました。

探偵の経験ではシロ判定も
調査継続になったワケ

 調査後すぐに勉さんにメッセージで簡単に報告しました。メッセージを見て勘違いだと安心した勉さんからの返信で、調査終了になるだろうと思っていましたが、意外にも帰ってきたのは調査継続とのメッセージでした。

 通常一度の素行調査で結果が出ないことはよくあることで、探偵側から1~2回調査しても同様の結果なら「シロ」と判断しては?と提案するのが一般的です。

 私がそのように提案しなかったのは、子ども食堂の活動実態や、亜紀葉さんの行動に怪しい点はなく、そもそも調査の動機自体に「クロ」要素が乏しかったためでしたが、今回は勉さんの方から「納得できないんです」と要望があったため、あと2回調査をした結果で判断することで調査継続になりました。

 その後の調査によって、結果から言うと亜紀葉さんは「クロ」でした。

 勉さんの協力の下、別軸での調査を進めたことで、亜紀葉さんが週末に参加する「チャリティーイベント」が不倫の密会である可能性がとても高いことが分かりました。

 亜紀葉さんが手伝っている子ども食堂は、平日の夕方に開催しているのですが、その資金は自治体の補助金や寄付や食材の提供で賄われています。

 寄付金集めの一環として隔月の第1土曜日にバザーを行っていました。会場は郊外のコミュニティーセンターで、主催者は子ども食堂と同じ、岩本研吾(41歳)でした。Instagramでの投稿もあり、私はその会場に潜入しました。

 コミュニティーセンターのホールには協力する人たちが、古着・食器・手作りのお菓子など20以上のブースがあり、多くの人でにぎわっていました。