「女性との関係」が鬼門
党の顔として玉木代表が強すぎるか

【森元首相の失言よりひどい】

……森喜朗元首相が五輪開催直前に鮮烈な印象を残した「女性のいる会議は長い」発言よりもひどいという指摘も複数見られた。どちらも、女性の能力は低いという意味に受け取れてしまう発言である。

 いわゆる「年収の壁」の引き上げについては、パートタイムで働く主婦の「働き控え」を減らす意図もあり、女性にとって良いかどうかは置いておくとしても、関係の深い内容であるとは言える。それでも女性の関心につなげられていない。

 女性国会議員の割合は、国民民主党は立憲民主党とほぼ変わらず、自民・国民・維新と比べると10ポイントほど高い。しかし玉木代表が党の顔としてイメージが強すぎるため、他の議員の印象が薄いのかもしれない。

 これ以外にも、候補者だった女性が公認を取り消された後に自死に至った件や、山尾志桜里氏擁立とその撤回によるイメージダウンや、ジェンダー・子育て関連の制作について訴求力がない点などが指摘されている。

 ともあれ、発言が玉木氏の釈明通りの意図であったとしても、女性の支持率が低い点を真面目に検討・分析しているとは思えない回答だった。その女性に対する基本的な関心のなさがそのまま支持率に跳ね返っているようにも感じる。もしくは、女性に支持されない理由をわかっていて、あえて言いたくないのだろうか。

 都知事選で勢いをつけ参議院選に挑む中、玉木代表にとって「女性との関係」が鬼門であるのは間違いない。