25年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2026』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2025年1月時点に執筆した『大学図鑑!2026』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

東京科学大学はこんなところ!

 スクスクと健やかに育ってきたタイプが多く、おおらかで素直で、子どものように無邪気。一方、理系特有の理屈っぽさも兼ね備えていて、それを指摘されるとムッとする。

 世界をリードする研究多数の超一流大学。業界内での評価は抜群で、就職に強い。それに比べて、世間一般の知名度は名称変更もあってかもう一歩。科学大の名前が定着するのはまだ先か。

 旧東工大の大岡山キャンパスは東急大井町線・目黒線大岡山駅からすぐ。住所は目黒区大岡山だが、キャンパス内に区境があり、奥のほうは大田区、使う校舎によって利用駅がひとつ手前の緑が丘駅に変わるほど広い。

 芝生の上やベンチで学生たちが語り合い、そのすぐそばを近所の高齢者が散歩をしたり、親子連れが遊んでいたりする。戦争にも耐えたという本館前の桜の木はなかなかのもので、地元の人々も花見に集まってくる。

 立地や環境に関しては、ほとんどの学生が満足している。正門を入ったところにあるピカソの絵のような百年記念館(博物館)が、ちょっと進んだテクノロジーを見せつけている。

 新しい図書館はガラス張りで、「チーズケーキ」と呼ばれている。2・3階部分はグループワークのためのスペース。地下も含めて約65万冊の蔵書が収められ、広大な閲覧室はテスト期間中にすべて埋まる。

 世間的にはオタク生息地的なイメージで見られがちだが、実際にはそうでもない。たしかに、見るからにオタク特有の濃ゆいオーラをにじませている人もいないではないが、それは2割程度。その他は意外と爽やか系で、くったくのない笑顔を持つ穏やかな人たち。ただ、頭の中身は理論派が多く、自分の専門的知識に基づいたうえで話をするので、気軽な雑談を交わしにくいという特徴はある。

 進路に関しては旧東工大の約9割が大学院へ進学。修士課程を修了して就職するのは8割ほどで、その他は博士課程進学など。

 修士を出れば、受け入れてくれるのは超がつく一流どころの企業ばかりだ。製造業をはじめ、メガバンクやシンクタンク系企業、情報通信業、サービス業まで、先輩たちの就職先には有名企業の名がズラリ。