
米半導体大手 エヌビディア は人工知能(AI)チップの設計・販売で時価総額を4兆ドル(約570兆円)近くに拡大させた。こうしたチップの製造を支え、目立たないものの投資妙味ではエヌビディアを上回るかもしれない一握りの企業がある。
アプライド・マテリアルズ や ラムリサーチ といった米半導体製造装置メーカー大手は、AIブームを受けて急拡大する市場で事業を展開する。国際的な半導体の業界団体「SEMI」が最近行った予測では、エヌビディア製など先端チップの製造装置向け設備投資額は2028年までに昨年比でほぼ倍増するとみられている。
半導体製造装置向けの投資は世界全体で今年1000億ドルを超える見込みで、これに伴う売り上げも巨額になるとみられる。ところが投資家はエヌビディアや アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD) 、 ブロードコム といったAIチップ設計企業や、半導体受託製造大手の 台湾積体電路製造(TSMC) をもてはやす一方で、同じような評価を半導体製造装置メーカーには与えていない。
アプライド・マテリアルズの株価は過去1年間で23%下落し、予想株価収益率(PER)は約18倍となっている。同じ期間にエヌビディアの株価は27%超上昇した。予想PERは約32倍だ。