米上院は1日、ドナルド・トランプ大統領の減税法案を可決し、大げさな歓喜と驚きを招いた。共和党は新たな経済の黄金時代の始まりだと主張する一方、民主党は浪費的でひどいものだと評した。どちらも間違っている。この法案は、2017年の税制改革が失効する来年の4兆5000億ドル(約646兆円)の増税を回避するために可決される必要があったが、新型コロナウイルス禍後の福祉国家の改革としては期待外れだ。この法案の最良のニュースは、企業に経済的な確実性をもたらすことだ。2017年の税制改革に盛り込まれた、限界税率の引き下げやパススルー企業に対する20%の控除、遺産税(相続税)控除の拡大、設備投資や研究開発を対象とする即時費用計上といった措置を恒久化する。また、2028年まで工場新設の全額費用計上を認める。