
夏期講習を生かすには、勉強のことだけを考えればいい……わけじゃありません! この夏を実りある時間にするには、「モチベーション」と「生活習慣」の整え方がカギになります。見学や体験で“憧れ”を見つけ、心と体を整えて、講習の効果を最大限に引き出すヒントをお届けします。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)
夏休みでたるまない!
モチベーションと生活習慣の整え方
計画的に学習に取り組めば、志望校との偏差値の差を埋めるには十分な時間が夏休みにはあります。塾は夏休みに行う夏期講習のことを「受験の天王山」と呼びますし、この時期の勉強のやり方によっては、9月以降の成績に大きく影響が出ることも事実です。
しかし、夏期講習を上手に生かせない場合は、時間と費用を無駄にしてしまいます。時には挽回不可能になることもあります。
前々回の「夏期講習の失敗を防ぐ3つのポイント」、前回の「夏期講習を成功に繋げるために必要な下準備」続き、今回は「夏期講習を成功に繋げるためのモチベーションと生活習慣の整え方」を紹介します。
(1)“憧れ”を探しに、中学校の見学に行こう!
夏休み中には、オープンキャンパスや部活動体験を開催する学校もあるので、ぜひ活用してください。「夏は忙しいから9月からで良いかな?」と考えるのはNGです。というのも、土日は模試や特訓があり、なかなか行くことができないのが現実です。
部活動体験などは、直接在校生と喋ることができるので、子どものモチベーションがを高めやすい絶好のチャンスです。どんな時代でも、少し年齢の上の先輩というのは憧れの存在になりやすいものなのです。
注意点は、親が「ここはダメだった」など、学校に対してネガティブな批評をしないこと。「暑かった」「学校までの坂道がきつかった」などと言うもの大人気ないかと思います。
秋からは合格判定のある模試や過去問演習でメンタルを削られることもあるので、夏に“やる気のマイレージ”をたっぷりと貯めておきましょう。
(2)授業を集中して受けるために、生活習慣を意識しよう!
通常授業は週に3日か4日のところ、夏期講習は5日間連続という塾もあります。長丁場になりますが、集中して授業を効果的に吸収するためにおすすめの方法をお伝えします。
1. ストレスを解消する
ストレスを解消すると、集中力が続くようになります。ただし、「ストレス発散だ」といってゲームやマンガにかける時間が長くなりすぎるのは本末転倒です。休みの日には、家族で運動をしたり、買い物に行ったり外食をしたり、「家族全員が一緒に体験できる元気になること」を選ぶと良いでしょう。
2. 身体の健康に配慮する
バランスのとれた食事と、適切な睡眠をとることが王道です。疲れているようなら、短時間のお昼寝も良いでしょう。暑い夏が続いていますので水分補給は大事ですが、甘いもの、清涼飲料水を飲みすぎないようにしておきましょう。
3. デジタルデトックス
スマホを持っている子どもも増えています。どうしてもゲームやユーチューブをみたりするので、家に帰ってきたら親に預けるなどのルールを決めるのも良いでしょう。また、“塾友”との電話やラインなどのやり取りには注意が必要です。思わぬトラブルのもとになりかねません。
4.ストレッチの習慣
机に向かっていると、つい体が前傾姿勢になってしまいます。背中が丸まっていると、肩・背中・腰のラインの緊張がずっと続くことになります。簡単なストレッチを習慣にしましょう。ちょっとした時間に塾でも家でもできるので、ぜひ体を動かしてみましょう。
〈2〉 肩を上げ、ストンと落とす(10回程度)
〈3〉 肩を回す(外回し・内回しを10回程度)
〈4〉 首を回す(外回し・内回しを10回程度)
そもそも論になるかと思いますが、「塾が楽しいか?」「授業が楽しいか?」は集中力と大きく関係します。塾から帰ってきた時に、疲れていても笑顔で「ただいま!」と言える塾に通っていたら超ラッキーです。
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夏期講習の活用法を最後までお読みいただきありがとうございました。小学生最後の夏を、中学受験生としてよく頑張って過ごしていると思います。これも伴走されている保護者の皆様の愛情あってのことです。この夏が、実り大きなものになるようにお祈り申し上げます。

