それ以外は「お小遣い」として自由に使っており、Dさんは月3万円ほど、ご主人は月15万円ほどを自分の裁量で使っています。特にご主人は、この大半を趣味であるバイクに費やしているそうです。
一方で、夫は給与天引きで毎月10万円を社内預金に積み立てており、すでに1000万円ほどの残高があるとのこと。利率は0.79%と高水準ですが、今のところ使う予定はないとのことでした。とはいえ、将来を見据えると、より効率的な資産形成手段であるNISAなどへの移行も視野に入れるべきと感じました。
教育費は妻の相続資金に頼っているが……
では、生活防衛資金や教育費の備えはどうなっているのでしょうか。
それは主にDさんが親から相続した1300万円によって賄われており、現在の残高は約900万円。大学3年生の長女と高校2年生の次女の進学費用にあてる予定とのことでした。
Dさんは「子どものやりたいことはできるだけ応援したい」と考え、語学留学や個別指導塾など教育にかける費用は惜しまず使ってきました。
しかし長女は私立大学に入学後、適応できずに他大学へ編入。さらに別の大学への再編入も希望しているそうです。編入には受験料や入学金が都度かかり、負担は重くのしかかります。次女もまた、海外大学への進学を視野に入れており、今の資金では不安が残る状況です。
教育費 VS 老後資金の深刻な対立
Dさんは「教育費のために社内預金を少し回してほしい」と夫に訴えていますが、夫は「老後の備えが足りなくなる」と難色を示しています。50代後半という年齢を考えれば、再雇用後の減収も見込まれ、夫の不安は決して的外れではありません。
さらにDさんは、子どもに関する補助金(授業料補助やタブレット購入費など)を夫が受け取っていながら、その一部しか家計に戻していないことに強い不満を抱いていました。「基本折半のルールを守らず、好き勝手に使っている」と感じる背景には、自身が教育費で家計に余裕がなくなっている現実もあります。