本来、不確実性は投資の敵だ。だが今年はそうでもない。関税の影響がどうなるのか、そしてドナルド・トランプ大統領が米国の安全保障上の約束を守るのかどうかという二つの不確実性により、各国の政府・企業は自己防衛のために資金を投入し、それが株価を下支えしている。今のところはそうだ。最大の変化は地政学的な面だ。トランプ氏が欧州防衛にコミットしないのではないかとの疑念から、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は防衛費の追加借り入れを認め、ドイツは防衛費を国内総生産(GDP)比1%余り引き上げることや、インフラ整備に5000億ユーロ(約85兆円)を投じることを決めた。株式投資家は売りで反応するどころか、欧州全般、特にドイツによる財政出動を歓迎し、今後の利益拡大を織り込んだ関連銘柄が急騰する展開となった。
トランプ氏の不確実性に順応する投資家
地政学・関税面の不確実性が米経済に及ぼす影響はこれから出てくるのか、それとも過大評価されていたのか
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