米ユタ州シーダーシティー在住のダン・ジョーンズさんは品質管理検査官の仕事が気に入っていた。それ以上に趣味として地元のバグパイプ楽団で演奏することが好きだった。ある頃から曲の演奏を間違えるようになった。やるべきことがあっても書き留めておかないと忘れるようになった。2021年に56歳で認知症と診断された。妻のダーラさんと思い描いていた未来が突然、消えてなくなったような気がした。「たくさんの計画があったが、全て断たれた」とジョーンズさんは言う。バグパイプをしまい込み、スケジュールが予想しやすい仕事に異動した。そんな時、妻は、生活習慣を変えて初期のアルツハイマー病が改善するかどうかを確かめる研究があることを知った。研究に参加すれば、ジョーンズさんはローストビーフや手作りのスパゲティ、アイスクリームなどの好物をあきらめて、精製された炭水化物や糖類を控えめにして、加工を最小限にした食品を使った野菜中心の食事にしなければならなかった。運動量の増加や毎日の瞑想(めいそう)、サポートグループとの定期的なミーティングも必要だった。
脳は実年齢より早く老化? 最新の研究に手掛かり
生活習慣の見直しに関する新たな研究と予防的アプローチの進化で、認知機能の健康を測定して向上させるチャンスがあることが明らかになりつつある
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