ニック・モリーナさん(57)は、ニューヨークのラガーディア空港にあるアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・ラウンジで、見知らぬ人とフライトの遅延について話していたところ、その相手からプライベートジェットの利用を検討したことがあるかと尋ねられた。「彼女はこの(メッセージアプリ)『ワッツアップ』のグループについて教えてくれた」。フロリダ州キービスケーン在住の投資家で元スタートアップ起業家のモリーナさんはそう語る。「私をグループに追加すると申し出てくれた」このようにして、モリーナさんは「南フロリダ<->ニューヨーク/北東部」というチャットに加わることになった。これは、裕福な人から正真正銘の億万長者までが参加する、プライベートジェットの座席を売買するグループチャットの一つだ。こうした招待制のチャットは、ニューヨークからパームビーチ、アスペンから南カリフォルニア、テキサスからカボといった、富裕層がよく利用する路線に特化している。商業航空が遅延や安全性の懸念に悩まされている中で、数千人のメンバーがいる。