イスラエル軍は16日、シリアの首都ダマスカスにある大統領宮殿の周辺やシリア軍の本部を空爆した。シリア南部では宗派的な対立が急速に拡大し、新政権は危機的状況に置かれている。イスラエルはシリアとの国境をまたぐ地域に暮らす宗教的少数派のドルーズ派に対するシリア政府の攻撃を阻止するため、介入したと発表。南部で展開するシリア政府軍の戦車や軍事車列に対して一連の空爆を実施したとした。シリア南部のスウェイダ周辺ではドルーズ派とベドウィン族の間で武力衝突が発生し、これが暴力の発端となった。現地コミュニティーの指導者や活動家、イスラエル軍によると、政府軍が介入した後に暴力は悪化した。スウェイダ周辺に住むドルーズ派の住民は16日、現地では処刑や家屋の焼き打ち、略奪が行われていると電話で説明。数千人の住民が暴力を逃れてヨルダン国境に向かい、さらに数千人が地方へと避難したと述べた。