「学歴そのもの」ではないところに本当の価値がある
――なるほど。おっしゃりたいことはよくわかりました。ただ、指定校推薦などは楽をしているだけという意見もあるわけで、今のはあくまで一般受験に限った話のようにも感じるのですが、いかがでしょうか。
びーやま:僕はそうは思わなくて、指定校推薦という制度がある以上、それを活用するのは悪いことではないと感じています。別にその学生がズルをしているわけでも、不正をしているわけでもないんですから。
加えて、目の前にある制度を活用して自分の目的を達成するというのも、僕は大人になるうえで大事な能力だと思います。ルールと条件を調べて、それを満たせるように努力したわけですから。しかも、指定校推薦だって学校の勉強は頑張らなければいけません。
よく、「指定校推薦はけしからん!」みたいなことを言う大人がいますが、それは学生にぶつけるべきではありません。学生はルールに則っているわけで、なんの非もないわけです。
ちゃんと頑張って「志望校の推薦がある高校」に入っているわけですから、「逃げている」みたいな言い方は違うんじゃないかなと。仮に批判されるとしても、それは学生ではなく制度そのものであるべきです。
――理解できました。どの手段だったとしても「戦略を練る」とか「目的に向かって行動する」というところに共通のポイントがあるわけですね。
びーやま:そうなんです。一般入試は国公立ともなれば5教科7科目もあるわけで、普通にやっていたら終わらないですし、推薦だって、勉強だけではなくちゃんと高校行事にも取り組まなければいけません。
それらを各学生が自分なりにどうするのがいいか考えながら行動した先に「学歴」があるわけですから、結果としてそういった思考を持った人材が社会で評価されやすいのは理解できるかなと。
もちろん学歴がすべてではないですし、世の中には大切なことが山のようにありますが、そのひとつとして学歴があるというのは十分理解できるなと。
なので、受験生には、「受験のプロセス」にも意味があることを意識してもらえると嬉しいです。
――ありがとうございました。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。