
二つ目がラインナップが豊富なことだ。背面の高さが50cm、80cmの2パターンごとに、9種類の形状の止水板をそろえ、止水板と壁との間に隙間をつくらないためのフィッティングバーなど、各種アイテムが用意されている。
販売については代理店担当者を購入者の元に派遣し、「必ず現地で綿密な調査を行い、場所や用途に合わせ、漏水を最小限に抑えるための組み合わせを提案しています」と藤井氏。土のうなどの他の防災用品の併用も勧め、徹底した止水率アップを目指している。
三つ目が設置・撤収の利便性だ。土のうと比較しても、軽量で運搬がしやすく、収納も省スペースで済む。使用後も乾かして再利用でき、下水を含んだ大量の土のうをトラックで運搬、破棄するなどの手間がいらない。また、「製品背面のQRコードを読み取ると、商品取扱説明書が確認できるため、いざというときでも慌てず備えができます」と藤井氏。細かい気配りもポイントだ。
中国、マレーシアなど
海外でも注目を集める

展示会参加やSNSなどを通じて、少しずつ認知度が向上する中、24年夏には東京でのゲリラ豪雨発生を受け、メディアの取材が殺到。24年度の導入実績は11万台を突破した。
日本では企業の倉庫や工場、駐車場などの他、「工場内でも特定の機械の周囲、個人宅の車庫など活用法も広がりを見せています」(藤井氏)。中国他、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどでは国家レベルでの防災対策として引き合いが寄せられている。
今後の目標は、止水板自体の認知度を上げることだ。「どんどん他のプレーヤーにも参入していただいて、『水害対策といえば止水板』となるよう、市場拡大を目指してまいります」(藤井氏)。何度でも使える〝地球に優しい防災用品〟としても注目を集めていきそうだ。
(「しんきん経営情報」2025年8月号掲載、協力/西兵庫信用金庫)
事業内容:止水板・刈払機チップソーの開発・製造・販売
従業員数:8人
売上高:3億円(2024年9月期)
所在地:兵庫県加古川市野口町水足北浦1442‐1
電話:079‐422‐2038
URL:flood-guard.co.jp