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アキレスの子ども用スポーツシューズ「瞬足」が今月、発売から10周年を迎えた。100万速売れれば大ヒットという靴業界で、累計販売数4000万足を達成する快挙だ。
瞬足の特徴は、独自の設計思想にある。左曲がりのトラック競技で体が傾いたときでも踏ん張りが利くよう、「左右非対称のソール」にし、グリップ力を30%アップ。
デザインにも力を入れ、ゴールドやシルバー、黒地にビビッドカラーを組み合わせたものなど“大人のトレンド”を“子ども目線のカッコよさ”に落とし込んで取り入れている。
メガヒット&ロングセラーとなった勝因を、シューズ事業部事業企画本部の津端裕副本部長は、「“通学履き”を貫いたこと」と言う。毎年、細かな機能の改良を重ね、その時々のトレンドを取り入れた200足もの新しいモデルを投入する一方、軽さや安全性、耐久性に加え、2000~3000円台の買い求めやすい価格を維持しているのだ。
10周年を機に新たに提唱するのが、子どもの足の成長を支援する「足育(そくいく)」だ。長年、運動会で子どもの足元をウオッチしてきた津端氏は、現代っ子は土踏まずがない扁平足や、足の指が地面から浮いてしまっている「浮き指」が多いと指摘する。
すでに、足幅が細い子でもフィットするスリムモデルを発売し、好評を博している。今後はより足育視点での商品開発を進めていく考えだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)