
褒められた時、なんと返すのが正解なのだろうか。長年、言葉遣いの研究をしている東香名子さんが、褒めてくれた相手とさらに仲良くなるための「魔法の一言」を教えてくれた。(ウェブメディアコンサルタント・コラムニスト 東 香名子)
謙遜しすぎていたら
かえって距離が生まれることも
人から褒められた時、あなたはどう返していますか。「そんなことありません」「私なんてまだまだ」と謙遜しすぎていませんか。謙遜はとても大切で美しいことなのですが、やり過ぎると「喜んでいないのかな」「褒めて損した」と思われ、かえってその人と距離が生まれることもあります。
私は「バズる表現」の専門家として、多くの人に読まれ、心を動かす言葉の仕組みを研究しています。今回は褒められた時にさらに好かれるための、とっておきのひと言をご紹介。せっかくの相手の気持ちを無下にせず、より良好な人間関係を築くきっかけになります。
褒めてくれた人と
さらに仲良くなるためには
なぜ私たちは褒められた時に、気の利いた返事が難しいと感じるのでしょうか。まず一つに、謙遜が美徳とされる日本の文化が関係していると考えられます。褒め言葉を素直に受け取ると、まるで自慢しているかのように見られるのではないか、という抵抗感が無意識に働くのです。
また「ナルシシストである」と誤解されることへの恐れも大きいでしょう。「承認欲求が強いと思われるのでは」というネガティブな不安もあるでしょう。相手が本心から褒めているのか、社交辞令なのかを、気にしてしまう人もいるでしょう。
「自分は褒められるような人間ではない」という自己肯定感の低さから、褒められても全否定をする人さえいます。
しかし、こうも拒絶してばかりの人は、一歩踏み込んだ人間関係を構築する機会を失ってしまいます。褒めてくれた相手に素直な気持ちを表現し、さらに仲良くなるにはどうすればいいか。
ここからは感じのいい人が褒められた時に伝えている「さらに好かれるひと言」を紹介します。